パストラーレ

夢の世に かつ微睡みて 夢をまた 語る夢も それがまにまに

嵐生まれ二宮育ちの京本担がTANGのジャパンプレミアに参加した話

2022年7月14日、タイトルのとおりTANGのジャパンプレミアに参加してきました。

 

今では(そもそも現場がないというのもありますが)ゆるりとお茶の間で二宮さんを追ったり追わなかったりマイペースに応援しているオタクですが、映画作品は公開される度に劇場に足を運び、ものによっては複数回劇場で作品を楽しんでいます。

そのため、TANGも最初の情報解禁から「二宮さんの映画がまた観られる!」と楽しみにしていました。映画館でてんとう虫を追いかけるタングと二宮さんの映像を見た瞬間からタングの可愛さにメロメロになったのをよく覚えています。

 

TANGの原作はイギリスの作家、デボラ・インストールさんによる「ロボット・イン・ザ・ガーデン」という小説で、国際映画祭で「映画化したい一冊」にも選ばれています。

また、2020年には劇団四季によってオリジナルミュージカルとして舞台化されており、2022年7月現在も全国公演中です。

TANGを楽しみにするあまり、京都公演にちゃっかり行きました。

 

この京都公演観劇から4週間弱経った頃、TANGのキャストが解禁されました。

朝寝ぼけまなこでTwitterを開き、「SixTONES 京本大我」の文字を見て、文字通り飛び起きました。

浮かれきったこの日以来、私のアイコンは京都劇場で撮ったタングになっています。

 

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原作ではイギリスを出発地点としてアメリカ、日本…と旅をしますが、映画版のTANGは主に日本を舞台としています。現代の日本ではなく、少し先の、アンドロイドが人間と共存している近未来の世界です。

主人公の健はあることがきっかけで、仕事もせず、家でゲームばかりして過ごしている「人生に迷うダメ男」。ある日、そんな健の前に現れたのが、いかにもな風貌をした「記憶をなくしたロボット」のタングでした。

「庭にロボットがいるからどうにかしてほしい」と妻の絵美にお願いされた健は、しぶしぶ庭にいるタングに声をかけますが、最初はぎこちない会話が交わされるだけ。タングをどうにか追い出そうとするも失敗し、挙句の果てには自らも家を追い出されてしまいます。しかしその後、「タングを最新モデルのアンドロイドと交換してもらえるかもしれない」という情報をもとに、健とタングの旅が始まります。

 

本作ですが、二宮さんは本当はもっと前にオファーをもらっていたとのこと。嵐の活動に専念したいタイミングなので、待っていただけるのであれば2020年より後にお邪魔したいと伝えたところ「こっちが勝手に待っているだけなんで、二宮さんは全然気にしないでください」と言われ、1年待ってもらったそうです。待ってもらった感謝があるからこそ、生半可な気持ちでは臨めないという想いがあったそう。*1

健はそんな二宮さんをイメージして原作の主人公像をアレンジされたもの。*2待っていただいたこと以外にも、二宮さんが感謝の念を覚えずにいられなかったことのひとつが「今まで自分が演じていない役柄を、オファーしていただいたこと」だそう。二宮さんの過去の出演作は、本人も述べているとおり、シビアな作品が多くあります。その中で、「家族揃って楽しめる」、「友だち同士で観に行ける」、「何の気なしにフラっと入ってみたら、明るい世界がそこにあった」というような作品に「あえて二宮でやってみたい」「1年待ってもいい」と仰っていただけたとのこと。*3

この温かい作品の主人公に二宮さんを選んでくださった上で、二宮さんをイメージして原作にアレンジを加えながら脚本を進めてくださったということがさらに嬉しく思いました。

 

私が試写会で本作を観て思ったのが、とにかくタングが可愛いということ。

金属でできた無機質な存在であるはずなのに、タングは人間の子どものように見えるのです。

自分の周りの世界をよく観察していて、好奇心旺盛で、気になるものを見つけてはそちらに走っていき、「これは何?」と尋ねる。大人にとっては取るに足らないものでも、「お宝」として大切にする。さらには、「人を思いやること」まで学習する。

ロボットなのに、人肌のぬくもりがあるような、温かくて愛らしい存在。

幼い子どものようなタングは、人生の答えを直接くれるわけではありません。でも、タングと触れ合う中で、自分を見つめなおしたり、忘れていたものを思い出したりして、一歩前に進むきっかけにはなる。

そんなタングに関するシーンで、私が1番好きなのがコーヒーのシーン。ネタバレになるかもしれないので深くは書きませんが、泣きました。

 

健が旅を始め、一番最初に出会うのが京本さんの林原信二です。

超が付くほどのナルシストということで、予告映像でも既に「見栄えがいいからかな…」というパワーワードを、ぐうの音も出ない眉目秀麗さで発しています。

このビジュアル、三木監督が撮影に入る前に「昔やっていた金髪具合がいい」と伝えたらこの色にしてきてくれたそう。*4きょもプリオ大好きなので、この裏話は嬉しかった。

 

ちなみに、京本さんは今回のTANGが単独での映画初出演となるのですが、SixTONESのメンバーにはずっと「きょもに映像に出てほしい」と言われていたらしく、すごく喜んでくれたとのこと。

他のメンバーも色々な形でスクリーンに挑戦している中で、自分もメンバーとしてそこに貢献できることが嬉しい、この作品をきっかけにSixTONESの名前を知ってもらえたり、グループに還元できればいい、と話す京本さんがすごく好きだなと思いました。*5

さらにはこの作品はこの世界にもっと飛び込んでいきたいという意欲に火をつけてくれたとも。*6試写会の時、いつか舞台挨拶の真ん中に立つ京本さん見たら泣いちゃうだろうな、という想像をして泣きそうになったので、そんな未来も楽しみにしています。

何はともあれ、林原さん、じわじわくすりとくる役どころですごくよかったので、ぜひ観てほしい。

 

 

そして試写会最後の二宮さんの挨拶。

youtu.be

映画というものは、世の中で色々な物事が起こる中で、色々立ち位置を変えながら、皆さんの拠り所になる時もあれば、疎ましがられる時とか『そんな暇ないよ』という時もあると思う。でもそれでいいと思っていて。僕らは変わらず良いものを作り続けて世の中に出していくことが仕事だと思っている。そんな中で、皆さんの生活の状況に沿う形でこの作品に出会ってくれたら嬉しいと思っているので、もしそういうタイミングが来たら、映画館でも観ていただければと思います。

二宮さんは、雑誌のインタビューでも似たような話をしていました。

映画は出来上がったらちゃんとそこにあるものなので逃げません。だからご覧になりたいタイミングで見ていただければうれしいです。映画館で見てほしいとかいろんな気持ちはあるんですけど、でも、自分が一番楽しめる環境でご覧いただかないと、作品の価値が分からなくなっちゃうから。デバイスは変わってくるかもしれませんが、本当に自分のタイミングで見ていただければうれしいですし、一番ありがたいことかなと思います。*7

このようなご時世だから、劇場に足を運ぶのは…という話もあれば、精神的・体力的に今は何かを楽しむことが難しい人もいる、という話でもあると思います。

でも、映画は出来上がったら形としてそこに残る。数か月後、数年後に「そういえばあの映画観たかったんだった」と見返すことも出来る。

すごくあたたかくて優しい作品だからこそ、より多くの人が一番楽しめる環境で、本作を楽しむことを願ってやみません。

 

この素敵な作品に、昔からずっと大好きな二宮さんと、同じく大好きな京本さんが携わっていること、ファンとしてもとても嬉しく思います。

 

公開まで2週間を切りました。

沢山の人と、この作品を共有できますように。

 

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Twitterのレポ的なものまとめはこちら

2022/7/14 TANG ジャパンプレミア試写会 / Twitter

 

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peing.net

 

*1:「シアターカルチャーマガジン T.」2022 SUMMER NO.47、「キネマ旬報」2022年7月下旬号 No.1898

*2:「QLAP!」2022年8月号

*3:キネマ旬報」2022年7月下旬号 No.1898

*4:「QLAP!」2022年8月号

*5:「シアターカルチャーマガジン T.」2022 SUMMER NO.47

*6:AERA」2022年8月1日号 No.33

*7:「Cinema Cinema」2022年7月号 No.99